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Channel: 一式犬のブログ
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究極の運のない悲劇・八知の7人

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M県の山奥のそのまた山奥の話です。
昭和20年7月24日・・・この日は米軍のB29の大編隊が日本の軍事施設・工場をほぼ壊滅させていたが、
さらに執拗な空襲にサイパンから飛来、紀伊半島沖で阪神・中部などに分散、各編隊80機前後に分かれて爆弾を降らせた。
 
まず不運の最初
写真のように山と渓以外何もない僻地の小学校の子供たちは上空から見えないような小さな校舎から出て
更に深い山と谷に薬草の採集に出かけた、この日は桑名の中島飛行機工場に76機の空襲があったが、
遥かに離れた山奥は空襲など無縁である・・はずだった。
イメージ 1
 
この山中にいくら資金も物資も豊富な米国でも無駄に爆弾を落とすはずがない、
まして3000キロのサイパンから積んでくる貴重な爆弾を何もない山奥には・・
一発が95万円から180万円の高価な爆弾をタヌキも棲まない山奥には・・
 
多分子供たちは薬草を採集したり渓の水に遊んだり・・と勉強をせずに山遊び
を毎日出来る戦時中の日々を喜んでいたと思う。
 
不運というのは偶然に重なるようです。
 
阪神方面の川西飛行機工場を爆撃した内の一機が投下機器の不具合で爆弾1発が機体から
離れなかった、神戸上空から離脱して大台山系を跨いで伊勢湾にでて、他の編隊と合流する
その帰投のコースの下は鬱蒼たる山中である。
 
サイパンまで帰り着くために、機体を軽くする、そのために機上では故障排除に必死であった、
 
そして、ついに落ちなかった爆弾が外れた。
爆弾は人跡未踏の山中に落ちていく、
そして爆発した
「1万ドルで山に穴を作っただけだ」 と危険な爆弾を落として軽い機体でサイパンに帰投するB29
 
そのようやく機体を外れた爆弾は・・・・
不運な偶然である、その下に居たのは国民学校の7名の子供!
イメージ 2
イメージ 3
 
私は運の悪い人の典型がこの「八知国民学」の7人だと思います。
今は過疎で廃校ですが」往時でも複式学級の少数の学童でした。
 
前回の 『宗谷』 の重なる幸運と比べると、天文学的偶然の爆弾で無くなった7人の子供
こそ、慰めようもない『不運』の事件だと・・黙とう・
イメージ 4
昼なお暗い道の更に奥です、不運な7人でした。
 

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