日本軍の高射砲
・・・・色々と本を読んでいてつくづく思ったのは・・・・
昭和18年以降の日本の艦船の飛行機の被害の実態、対空射撃の弱さを知りました。
その流れでB29の空襲の被害と防空の戦果を調べてみました。
陸軍海軍の防空航空隊の奮戦は手記にも沢山あります。
我が町出身の辻本少尉のB29体当たり撃墜は米の「B29HUNTER OB THE JAAF」で知りました、この辻本少尉は始めは高射砲の部隊に18年12月入営しています、それから特別操縦見習士官を志願して19年2月航空科に転科しています。
下から打ち上げる高射砲部隊より戦闘機に乗って敵機を落としたい、と思ったのでしょう。
子供の頃から『高射砲は当たらなかった』とよく聞いていました。
それから『高射砲は当たらない』と思いこんでいたのですが、少し調べて風評の『当たらない』常識が全くの間違いと知りました。
・・・・日本本土空襲・・・・
B29の延べ空襲機数は 6276機 で、損失は約700機
撃墜は約400機
撃墜400機のうち93~98機を戦闘機で落として、残る300機余りは高射砲の戦果でした。
高射砲は命中すれば撃墜を確認していますが極少数です、戦闘機と違って追跡できないからですが、実際は至近距離で炸裂した砲弾の破片で機体にダメージを受けてサイパンに帰る途中で海中に墜落していたのです。
ただこの時は殆どの乗員は帰途水域で待機している潜水艦や飛行艇で救出されて人的被害は少なかったようです。
撃墜数400機に比べて事故や故障で300機も損失が有ったのは当時の日本も同じように戦時増産とパイロットの技術不足だったのです。
日本のみの操縦技術未熟や工業力不足では無かったようです(最も規模は二ケタも違いますが・・)
このように、『当たらなかった』と思って居たのと逆に地上の高射砲(海軍では高角砲)の対空射撃の精度が優れて居た、そしてB29の撃墜も防空戦闘機の3倍以上もあったと分かりました。
さらに判ったのは、大東亜戦争の時代、発射弾数と命中の比率は日本軍が最高だったのです。
比率で優秀なのは残念な事情も有りました。
≪比率算出の高射砲の数が欧米独に比べて一ケタ以上も少ない≫
≪弾薬が極端に少なく、無駄な発射が出来なかった≫
≪B29が集中する地域のみに配置されて居て・・待ち受けて発射する為精度が上がった≫
≪弾丸が少ない為に照準を念入りにして発射していた≫
≪欧米独のように高射砲弾幕を張れないから狙撃手のような対空戦闘だった≫
≪高高度のB29には発射せずに、4000メートル前後の爆撃進路機のみ射撃した≫
≪B29の空襲では南方戦場の小型機の陣地潰しの機銃射撃もなく照準に集中出来た≫
他にも色々とありますが結果として、
貧乏な工業生産力では無駄な弾丸を撃つほど支給配備されて居なかった、狙撃銃と同じ使い方をするしかなかった結果の高ヒット率だったのです。
いずれにしても、戦闘機以上の撃墜数を誇って居た高射砲の評価が異常に低いのは何故でしょうか?
これからは日本の高射砲、高角砲の知識が全くないのでもう少し勉強してみたいと思います。
本文に全く関係ないのですが、可愛い女性です。