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帝国陸軍の知られざる水筒

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日露戦争が終わって・・


この頃 ・1900年、20世紀の始まり頃・ 国外ではアルマイトの水筒が普及しだしてきた。

新たに明治三十年に採用されたアルマイトの新水筒、正式名称はなく「明治型水筒」「日露型水筒」といわれていた。

              右の水筒
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正式名称はなく、「日露型」と呼ばれて以降、終戦まで使われた。

700CCで昭和20年まで使われていた。 


≪騎兵水筒≫
同時期に騎兵用の水筒も採用された、騎兵は長時間の挺身行動や索敵などで補給の不便を考慮して700ccより大型の1000ccの水筒を支給されることになった。
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形も薄く平たい正円のものである、理由はわからないがウエスタン映画でも目にするのは良く似た円形である、カウボーイとUSキャバルリーとやや違うが同じ正円である、騎乗するときに鞍に付けるための必要からなのか・・・詳しくは判らない。
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この騎兵水筒は一部の騎兵部隊に支給されただけです。

昭和5年に新型が出来たため装備されずに日露型から昭五式の新型に変わった騎兵部隊が多い。
  一番上の写真左のズングリした水筒です。

  容量は1000CC。

この水筒は正式兵器とされていなかったので通称「昭五式」と呼ばれていた、( よくよく思えば兵器武器と言っても水筒では敵を倒せない兵器ですから装備品です。同じエリアには鉄帽と防毒面があります。)


その後、昭和九年に正式に「兵器」として名称が付いた、皇紀2594年式、すなわち「九四式水筒」の名前が付いた。

      私達が一番見慣れた(戦争ニュース映画)水筒です。

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 見慣れない、変わった水筒に戻ります。

≪魔法瓶水筒、航空水筒≫

陸軍航空隊で使用された、中はガラス製の真空構造になっています。
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≪耐寒水筒覆い≫

   

九四式水筒の冬季水筒覆 満州や朝鮮国境の酷寒地用に作られた裏毛皮のズック製カバーで水筒本体より高価なものだった、殆んど現存していない。

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覆い裏は毛皮で防寒着を着た≪お坊ちゃま≫のような水筒です。


       防寒水筒を装備した北満州警備の歩哨です
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≪ゴム製水筒≫

生ゴムを使用して94式と同じ形状に作られている。

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特別挺身隊や空挺部隊用などの特殊な部隊に支給された。


なお、一部の書籍では『物資不足でゴム製の水筒を造った云々』とあるが当時ゴムは貴重な資材であったから全くの誤りです。
当時ゴムは航空機の車輪チューブと燃料タンクの防弾材として重要で、ゴムは枯渇していて他の装備品に流用出来ない特別貴重な物資であった。


      



≪空挺水筒・透明柔軟水筒≫
現物は無論、写真でも見つからない、空挺隊用に開発された水筒があります。

『セロファン製でポケットに入れて携行し、中の水を

飲めば薄くなってかさばらない・・』と空挺隊史に記徐があります。

しかし、理科の教師に聞くと、

『セロファンは原料がパルプで、水を入れると溶けてしまう! 

おそらく、戦前に既にあった「フレキシブルガラス」と呼ばれた樹脂の事では?』

と言う事でした。どんなものだったか不明です・・が、

旧ドイツ軍の、このようなポリエステル樹脂水筒に似たものでは・・・と想像しています。

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容量は700ccです。  
( 私は今も冬にオートバイで出掛けるときに熱いお茶を入れて内ポケットに入れ  湯タンポ替わりにも使って居ます。)
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もう一つ、終戦まぎわの予備役、後備役など、いわゆる『根こそぎ動員』の兵士に支給された水筒の一部(主に朝鮮方面に配置された部隊)に竹筒製の水筒があったが今ではその実物は無く?写真でしか見られない。


それらは終戦時に残っていても一度使われると水分が残ってしまいカビの発生による腐敗で一年で竹筒を壊してしまう・・こうして消滅したようです。

     以上で帝国陸軍の知られて居ない水筒を終わります。
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